地方私立理系大学院生のブログ

地方私立理系大学院生の日常を綴るブログ

久々の記事更新

久々に記事を更新します。

 

その後、博士後期課程に進学し、この春に修了する事になりました。

修了後はしばらく旧帝大ポスドクとして働く事になります。

 

ポスドクというのは任期付き(契約期間有り)の研究員の事で、

Postdoctral fellow (researcher) 略してポスドクです。

このポスドクというシステムは博士課程修了後、研究者として一人立ちするためのトレーニングを行う期間であり、元々欧米では一般的なキャリアパスでした。

その後、日本においてもこのシステムが導入されましたが、契約期間が過ぎてしまえば雇用関係は解消されてしまうので、期間内に次のお仕事を探さなければなりません。

 

今後はこのポスドクにまつわるお話や、博士、修士の就活について書こうと思います。

 

博士課程の間は本当に色々とありました...。

 

世界をより良く

最近は修士論文、博士論文、学部生の研究発表ラッシュでした。

学部生を見て自分が3、4年生の時を思い出したり、遠からず来たる自分自身の発表に思いを馳せていました。

自分は研究室に入ってから成長したのだろうか?就職ではなく進学を選んだ自分は社会人として同じ時間を過ごした同期達とどちらが有意義な時間を過ごせただろうか、などと考えたりします。

 

ところで、先日ベイマックスなる映画を見ました。

ロボット作りの才能あふれる兄弟の話なのですが、兄が毎日を漫然と過ごしている超優秀な弟に自分の能力を皆のために活かしたらどうだ?的な事を言います。

ともすれば自分にとって利益があるかどうかを考えてしまいがちな利己的な私ですが、上映中は自分の持てる力を世界を少しでもより良くするために使えたらなあ、と漠然と考えました。世界的にもトップクラスに恵まれた日本という国に生まれ、薬学、分子生物学という分野で研究を行っている自分にはきっと、小さな事でも今日より明日をより良くできるんじゃないかと思いました。

人生の目標設定に悩む大学院生の感傷です。

私立大学 TOEIC

アクセス解析を見てみると、表題のように「私立大学 TOEIC」で検索した結果、当ブログに辿りつく方が結構いらっしゃるようなので 「高スコア取得者のブログ見るからお前の自分語りなんかお呼びじゃねーよ」と自分自身思いつつ 記事を書きたいと思います。(ちなみに今のスコアは795です)

 

ちょっと前の記事でも書きましたが、薬学部出身なので学部時代に英語に関する講義はほぼ皆無(あるにはあるけど何の役にも立たない)でした。

そして周囲にTOEICを受ける人も皆無でした(爆)。地方の私立大学にいると自発的に勉強する意識がないと英語力は大学受験から一気に下降線を辿ります。「私立大学 TOEIC」で検索してこのブログに辿りついた方、ここ要チェックですよ。

TOEICは大学院進学直前でしたね..、スコアは700くらいだったと思います。大学院に進学すると就活も視野に入ってくるので少し意識しだします。とはいうものの、研究室に朝から夜までいると勉強する時間がないので結局勉強しません。

英語の勉強といえばmolecular biology of the cell (以下 cell)の輪読を毎日1時間するくらいでした。飽きやすい性格なのでTOEIC対策の単語帳は1/4くらい憶えて埃をかぶってます。

そんな感じでしたが半年後のTOEICのスコアは755でした。cellの輪読は瞬発力が求められるのでスピード命のTOEICに少なからず対応できたようです。恐るべしcell。

武田薬品が新卒採用の応募条件に TOEICスコア 730以上としているので、まぁこのくらいでいいかと思い現在に至ります。

就活生は外資系企業を受けたりするのでもない限りTOEICのスコアはあまり気にしなくていいと思います。英語だけできる人を採用してもしょうがないですし、企業も求めていないでしょう。足切りに引っかからない程度に頑張りましょう。就活市場には東大、京大、旧帝、早慶の人たちがウヨウヨいるのでTOEICでアピール!なんて無意味です、自分自身に固有のアピールポイントを磨き上げましょう。

研究室の実際 続き

というわけで研究室の実際 の続きになります

就職について(薬学系なのでここでは製薬関係を想定します)

一般に世間の人たちが「就活」を考えたときに頭に浮かぶ製薬会社に修士で就活→研究or開発職で採用されることは、結論から言うと非常に厳しいです。新薬開発メーカーの研究or開発職は今や旧帝大の人達でも相当厳しい時代です。

就活は最終的には本人の資質次第になりますが、往々にして研究能力、自己管理能力は平均すると旧帝大の学生のほうが高い(こういった能力は明らかに学歴と正の相関がある)のでやはり就活でフィルターがかかると、結果として旧帝の人達が残っていくと思います。

(地方の私立大学だから無理と言っているわけではありません、どんな組織にも飛び抜けて優秀な人はいるので、能力次第でいくらでも可能性はありますし、会社側も学歴で撥ねるようなことはしていないはずです)

ジェネリックの研究開発なら希望はあります、実際例年採用実績があります(おそらく大学に枠アリ)。

 

帰宅時間

私の研究室は結構学生の自主性に任せているので人によりけりです。一応コアタイムは9-17時となっていますが、当然帰る時間は人によりけりです。夜中まで残る人もいれば7時ぐらいに帰る人もいます。

 

研究室での時間の使い方

基本的には実験です、合間に論文を読みます。これはどこの研究室でも同じだと思います。同期の人と時間を合わせてmolecular biology of the cellの輪読を毎日1時間やってます。日によって研究室全体の論文紹介やら進捗度の発表、グループミーティング等が入る感じです。

研究室の実際

今回は地方私立大学で研究するって実際どうなん?ってとこを紹介しようと思います。

地味に暴露になりますが自身は学部時代に今の研究室に所属し、学部卒業後に某旧帝大修士に入学、その後出戻ってきました。なのでこのブログの端々には旧帝大との比較が潜在的に入ります。

 

まず研究室の構成について、教員としては

教授

准教授

助教2人

の4人体制です。内部上がりの先生はおらず、全員外部からリクルートされてきています、全員非常に優秀です。CNS持ちもいます。アメリカからのポスドクも1人。

 

研究環境について

研究に予算の問題はつきものですが、科研費、財団からの研究費等がありお金に困っていることを感じたことはないです(学生なのでそこらへんは印象になりますが)、設備に関しても困ることはなく、一通りのものは揃っています(共用ですが、共焦点、LC-MS、FACS etc...)。

 

業績について

世間一般のイメージとして「私立大学の理系は研究レベルが低い」っていう風潮がありますが、個人的に自分の研究室は健闘しているほうだと思います。トップレベルのビッグラボと比較したらそりゃ全然ですが...。「得られるリソース(学生、予算etc...)からのリターン」を考えると頑張っています。(ちなみに2-3年ごとにPNASクラスの論文は出てきます)旧帝大でも鳴かず飛ばずの研究室はいくらでもありますからね。

今回はとりあえずこのくらいで。

 

 あ、そういえば molecular biology of the cellの6th edition買いました。

今後5th editionの思い出等も書いていきたいと思います。

英語力の指標としてのTOEICは是か?

タイトルにあるように英語力の指標としてのTOEICはアリか?

個人的に英語力の指標にTOEICを使うことには"No"と言いたい。

何故ならTOEICは極論するとバカでも解けるから。

現に地方の私立大学のいち大学院生である自分のスコアは795で

企業が求めるTOEICスコア-2013 | TOEICレポート | TOEIC SQUARE

企業の国際部門が求めるスコアをおおむねクリアしている。

でも、TOEICは条件反射のように問題を解くだけで、論文の読解に使うような深い思考や論理を紐解く読み方は一切必要ない。

特に大学院生の英語力はTOEICに反映されないと思う。

世間ではTOEIC至上な風潮があるが、その人の英語力のポテンシャルがわかる程度だと考えてほしい。

私立大学の学生

学部の頃から思っていたけれども、地方の私立大学の学生(自分の大学の学生)は大人しい。

なんというか自分に自信がなくて"野心"や"上を目指す"とかそういった類のものがないなぁ、と大学に入ってすぐに思った。よく言えば慎ましやかで現実をみている。

勿論母数も違うし、表に現れてくる頻度も違うことは承知の上で書くけど、「何か新しい事を始める人」って東京の有名大学の人が圧倒的に多い。

これって偏差値教育の弊害だと思う。本人の可能性なんて誰かが決めるものじゃないのに、社会が偏差値で中学(小学校)から高校までの思春期の学生をランク付けし続けるから中位~下位の学生は自分は平凡な人間なんだって思い込む。"自信"の持ち方が変わってしまう。

勿論自己管理ができて優秀な人の数は圧倒的に有名大学の人のほうが多い、でもこれだけ生き方が多様性に富んできたいい時代にチャレンジしないのってすっごく勿体無い。

地方私立大学生頑張れ!